deoemonさんからご質問をいただきましたので、久々にウクレレのお話を。
deoemonさんはじめまして。
こんなサボりサボりのブログにようこそおいでくださいまして本当にありがとうございます。
以前はこまめに更新してたのに、最近はとんとサボりっぱなしで、こうして読んでくださっている方がおられるのを知ってとてもうれしく思っています。
私は12歳くらいからアコースティックギターを始め、中学生のころはブルーグラス一辺倒で、高校生の時にマーチンを手に入れて、聴くのはいろんなジャンルですが、演奏するのはずっとカントリーミュージックまっしぐらという人間でした。
そんな私なんですが、カントリー以上に素朴で身近な音楽としてウクレレを使ったハワイの音楽に触れてからというもの、もっと手軽で楽みたい!という自分の好みにぴったり合ったウクレレに方向転換してしまったのです。
ウクレレのよさはとにかく手軽で気楽なのが何よりの魅力だと思っています。
よろしくお願いいたします。
さて、ではウクレレのお話に移りましょう。
以下、あくまで私の個人的見解ですのでその点をご承知おきくださいね。
いろんなメーカーや工房のウクレレを弾いたり、実際に手に入れてきました(手に入れたメーカー・個人工房物は合わせて20くらいかな…)が、ウクレレの仕上げの良さ、弾きやすさ、音の良さ、そしてオーダーメードなのに他の工房より良心的な価格(作りや材の質などかなり細かい注文にも価格アップなしで応じてくれた etc...)などの点でforMに依頼してよかったと本当に思っています。
昨今雨後のタケノコのように、いろんなメーカーや特に個人工房が乱立していますが、やはり長年ギター造りに携わってこられた職人さんが造るウクレレは本当に「永く使い続けられる楽器」として成り立つものでした。
他のメーカーや個人工房さんも頑張っておられるのでしょうが、目先の形やテクニックに拘り過ぎている物があるのも事実で、値段だけ一人前以上なのが目につきますね。
中途半端な物なら、いっそ安さと手軽さに徹したKALAのようなウクレレの方がよっぽど良いのにと思っています。
(KALAウクレレを弾いてみたら合理的なアメリカ本国人や無駄を排する実質派のハワイの人たちにKALAがウケるのが納得できました。合板製のお手軽価格ですがしっかり使える楽しいウクレレで、特に昨年のラインナップである薄っぺらいボディの“トラベルウクレレ”は思いの他よく鳴りますし、その薄さから軽くて取り回しがよく、超お気楽にウクレレを楽しめますから。)
おっと、お手軽KALAウクレレの話ではありませんでしたね。
forMさんにお願いして造ってもらった私のウクレレに話を戻して、一つ一つポイントなどをお話しますね。

材は最初からコアと決めていました。
今まで所有したウクレレはマホガニー製が一番多かったのですが、forMさんにはマホガニーよりもっと硬質な音を望んでみようと思い、コアでお願いしました。
でも、特に“カーリー”コアを希望したわけではありませんでした。
T'sさんなどではカーリーの度合いで値段が2万とか3万とか簡単にアップします。
それに「カーリーコアの方が普通のコアより音が締まっている」という記事をネットや雑誌で見かけますが、私はそれには疑問符が付きます。
カーリーでなくても、よく乾燥したコアをしっかりした技術で薄く仕上げたら、それはとてもよく鳴るウクレレになる、と経験上自分は感じています。
だからforMさんには「カーリーコアは不要。ただし、できるだけ木目がまっすぐな物で、なによりも節のない物」を第一条件としました。
曲がっている木目というのは、最近復刻されたマーチンの3Kによく見られます。
あの本家マーチンですら、いいコアは日本人が買い占めてしまって、まっすぐなコアの入手が困難なのでしょうね…。
また、コアは節が多く、その節にも「死に節」と「生き節」がありますが、ひどいウクレレには「死に節」を平気で使っている物も見受けれらるので、とにかく「節のない物」が第一条件でした。死に節=「割れ」の原因ですから。
フィンガーボードにはエボニーを指定しました。
ローズウッドのフィンガーボードは比較的簡単に減ってしまうのが理由です。
フィンガーボード表面の400R加工は当初考えていなかったのですが、forMの福原氏とメールで何度もやり取りしている間に「指板の400R化も同じ値段でいいですよ。」と仰ってくださったのでそのまま甘えた結果です。
セーハがやりやすいと一般的に考えられがちですが、太いゲージを張ったスローテッドヘッドのテナーのように弦のテンションが高いわけではないので、効果の程はそれほど感じません。
逆に、小指で1弦を素早くプリングオン、プリングオフを繰り返した場合、フィンガーボードにRが付いているために、握力を高めている場合など場合によっては滑って外側に弦落ちを起こすかもしれません。
私の場合2~3度ありました。
ですから、コンサート以下のウクレレの場合はフィンガーボードの400R加工はそれほどこだわらなくてもいいかもしれません。
ブリッジも、私はWorthの細くて硬い弦を好むので、弦がブリッジの弦通しの穴に食い込んでしまって穴が広がらないように、エボニーを指定しました。
このように、フィンガーボードとサドルに硬いエボニーを使うことによって音に締りが出たように思えます。
フレットにはforMさんの好みの太いフレットをお願いしました。
太いフレットは軽い力で押弦できて楽でいいかなと思ったのですが、実際楽です。
バインディングやパーフリングを不要としたのは、単に装飾での価格上昇を抑えたからです。
音には関係ない部分ですし、それに派手すぎると飽きちゃったり、占部ウクレレやPONOウクレレでバインディングが剥がれた「新品」を何本も見かけたので…。
ペグは絶対オープンギアに限ると思いました。
軽いゴトーのUKA-3や4のフリクションタイプはどうしてもチューニングがずれ易いので、せっかくのオーダーですからこの点で手を抜くことはできませんね。
その点オープンギアのUK-12やUK-700は安心ですし。
実用ではUK-12で十分だと思います。軽いですし。
UK-700のウリである、弦を巻きつけるポストの高さを変えられる機能は、使うことはまずないと思います。
UK-12とUK-700のいずれでオーダーしても値段的に変わらなそうだったので、造りのしっかりしたUK-700でお願いしたのです。
ボディの材の板厚や、完成後のボディの厚さは指定していません。
その点はforMさんにお任せしました。
forMさんのウクレレは比較的ボディが薄めだという事は楽器店店頭で何度か確認していました。
ボディの深いLa ukeは、ボディ厚がある代わりに板厚を極端に薄くし、トップ板の裏側にはブリッジのバックプレート以外のブレーシングを一切排してあります。
それで音量を稼いでいるのですね。
ただしボディを深くしても音量が出るとは一概に言えないようです。
むしろ、深くすると音がこもってしまう場合もあるので注意をした方がいいようです。
ロ・プリンジはボディが薄く、音が前へ前へ出てきます。(ただし音色に重厚さはないかも…)
ボディの厚みはそこそこに抑えた方(ソプラノやコンサートで5~6.5cm以内くらい?)が音は確実に前に出ます。(所有したいろんなウクレレから判明した事です)
なので、私のforMウクレレは、ボディが薄めでトップ板裏の縦のブレーシングは、ブリッジプレート裏に1本入れてもらっているという仕様です。
塗装に関しては、薄めであればサテンでもグロスでもどちらでもよかったのですが、サテンの中でも「オイルステイン」だと容易に材がへこんだりするので、薄めのグロス仕上げにしてもらいました。
そして、楽器ができて3ヶ月、全体に軽くコンパウンド「汚れ取り つやの助」を掛けて表面を再度調えてみました。(これは単なる気分と、つや出しのお手入れです。)
そして、音。
これは確かに言葉で表現しにくい部分ですね。
ウクレレが出来上がってきたときは、弦はWorthのクリアで、forMさんの特製ゲージが張られていました。
forMさんにお聞きしたところ、WorthのCEだったかCTの(どちらだったか失念しました)3弦だけをさらに太いものをオーダーして作ってもっているとのことでした。
Wothさんに「forMさんに納めているゲージをください」というと売ってもらえるとか。
この弦だとかなり迫力のある音色になりますが、しかし私は現在、やや軽めでコロコロという雰囲気を残しつつ前に音が出るようにWothのCMを張っています。
Martinの現行製品の弦はWorth同様フロロカーボン製ですが、かなりゲージが太く、音色は暗めです。
もしかしたらWorthのCMセットに、3弦だけをMartinの物に変えたらどうなるかな?低音から高音まで繊細さを残したバランスになるんじゃないかな?なんて考えたりもしています。
そういうわけで、WorthのCM弦での音色は、コアらしいコロコロとした軽めですが、音が前へ前へ出てきます。
音がボディの中にこもる感じはまったくありません。
結果的にかなり派手なカーリーコア(T'sさんで言うと4Aくらいは軽くあるグレード)の材で造ってもらえたのですが、ストラムをすればコロコロというコアらしい感じも残しつつも、単音ではかなりのロングトーンです。
魅力的なのは特に3弦。
ポーンンンンン…!と永い余韻と倍音を含んだ音色です。
ハワイ製のケリィ+Hiro弦(つじあやのさん愛用の組み合わせ)とは真逆です。
ややハワイ的ではない音色でしょうね、私のforMは。
あ、でも、ハワイ製のセニーザや甥っ子のヴァレーメイドをもっと端正にしたような音色でもあるなぁ。
とにかく音色は長く響きます。
音の分離はよく、ストラムしても雑音っぽくは聞こえません。
音質は狙い通り硬質で、先述のとおり前へ音はでてくるので、本当に気持ちの良い響きを持っています。
前へ出てくるといえば、ハワイのコアロハが思い浮かびますが、あのようなジェットサウンドでもありません。(笑) あそこまで軽いとちょっとうるさく聞こえますから…。
(余談ですが、Worth弦を使っても逆に音が内にこもってしまうウクレレの代表は、単板のコア製のウクレレとしてはBig Island製のウクレレでした。美しすぎるウレタン塗装が分厚すぎ!
マホガニー製ではクラフトムジカのフラガールでした。こちらはボディ幅が狭く厚みのあるデザインと、ボディ内まで塗装した事が悪影響していたようです。)
もしも、もっと箱鳴り感を求めるなら、マーチンのような12フレットジョイントがいいと思います。
forMさんのブログにも書かれてありますが、12フレットジョイントの方がボディ全体が歯切れよくガンガン響くような感じです。
14フレットジョイントは、それに比べると伸びやかな音色になる傾向があると思います。
したがって、艶やかで暖かみのある音色をお好みであればマホガニー、orマンゴー(かなり柔らかい音)、or ウォルナット(暖かだがやや暗め?の音)、硬質でコロコロ感を求めるならハワイアンコア、さらなるロングトーンを求めるならトップはスプルースでサイド&バックはローズウッド(か、高価なハカランダ)で、箱鳴り感を求めるなら12フレットジョイント、音色の余韻と倍音感を望むなら14フレットジョイントでしょうか。
いずれにしても、forMさんなら細かに対応してくださると思います。
とても親切に、かつ迅速に対応してくださるので、もし「オーダーしてみたいな…。」とお考えでしたら、一度メールでご相談されてはいかがでしょうか。(^-^)
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